ヨガ哲学-「自分を愛する方法-自己肯定感の高め方」
こんにちは
浦和姿勢改善ラボ-ヨガ&ロルフィング-のTatsuです
今日は「自分を愛する方法」について、ヨガ哲学的そして原始仏教的視点で深堀りしていきたいと思います
少し前から、「自己肯定感」、「自尊心」、「自己愛」と言った言葉がよく聞かれるかと思います
英語/心理学の用語ではセルフエスティーム(Self-esteam)といい、自分を受け入れている、つまり自分が好き(I love myself)の状態です
自己肯定感と自尊心も自己愛も同じものを指す言葉です
簡単に言うと、自分を愛する(受入れる)ことができているかどうか、という感情です
どうやら、この自己肯定感が低いと、不安や後悔そして自虐などを行う傾向にあるようです。つまり「不幸な感覚」ですね。
この自己肯定感は高い方が良いみたいです。
自分「大好き」という自己愛泥酔-ナルシスト的意味合いではなく、『どれだけ自分の嫌なところを受け入れることができているか』です。
以前ブログでも書いたようにストレスなどによる交感神経過活動は情動系(感情)を乱し、負の影響を与えます。
脳科学の分野で、『自律神経系の反応特異性』というものがあります。
反応特異性とは、「ある条件により、ある程度再現性のある反射が起こる」というものです。
その研究では人に対して心が安らぐような映像と心を不快にさせるような恐怖の映像を見せることによって起こる、自律神経反射を確認しました。
例えば心が安らぐような映像では毛細血管が拡張し血圧が減少し、心拍数の低下がみられました。また情動型(気分)に対してもリラックスしたような感覚を引き起こしました。
そして恐怖を煽るような映像では毛細血管が収縮し血圧が上昇し心拍数の増加が見られました。また情動系(気分/感情)に対しても、不快な感覚を引き起こしました。
これは言われてみれば当たり前の結果だと思います。
ただ、この研究からわかるように、『人はある特定の刺激に対する特定の反応』があると言う事です。
それをしっかり理解することによって「自己愛」もしくは「自分自身に対する理解」を高めることができるようになっていきます。
私自身の自己肯定感に対する考えは、一般的に言われる、「自分を受け入れる」というような曖昧なワードではなく、「自分自身の反射活動をどれだけ知っているか」です。
例えば労働時間が長くなれば長くなるほど交感神経活動が高くなり、疲労感が高くなり、物事に対する反応が過敏になっていきそれが長期で続いた場合、食べ過ぎなどの摂食障害や睡眠不足が起こります。
これはいわば普通の反射活動なのです。
しかし人はそこに対して、「あぁ、すぐに疲れてしまって、自分はなんてダメなんだろう」と、負の感情を抱き自分を否定する傾向があります
例えば、熱いものを触って手を引っ込めて、「何て自分はダメなんだろう」とは普通思わないですよね
しかし、ストレスによって食べ過ぎてしまったりしたり、イライラして誰かに当たったりした時は、「自分は何てダメなんだろう」と思う傾向にあります。
どちらも同じ「反射」で起こっているものなのに、そこに対して負の感情を抱くのはおかしいのではないかと私は考えています。
なぜならストレスによる過食や、イライラによる人への強い当たりの場合、そこに至る根本原因は「過労」や「ストレス」なのですから。
熱い夜間に手を触れた。
というような、根本的な「原因」がそこにはあるのです。
しかし、それが見えない為に思い悩んでしまう傾向にあるのではないでしょうか。
そして、「そういった反射活動が、人には備わっているよね」という事実を理解している人が周りにいてくれると最高かなと思います。
外部環境を最適化するのが最も効率的ですが、難しいケースが多いのも現実です。
では、どうやったら周りが理解してくるのでしょうか。
まずは根本的に自分を変える必要があると思います。
自分を変えると言うと大げさなのですが、言いたいのは、「自分の体と心(脳)の、反射活動に対する理解を深めること」です。
自分の感情的な反応がどうして出ているのか、周りに言葉で伝える事が出来れば、理解してもらいやすくなります。
〇〇という原因があって、〇〇のような感情が湧いてきて、そのような反応をしてしまった。と。素直に伝える事です。
そうすると、根本的要因は過去の自分自身にあった事がわかります。トリガーが何かしらの直近の刺激だった。というだけです。
慢性的にイライラしやすくなっており、その原因が仕事の時間やストレスにあるのであれば仕事の時間などを調節しましょう。
過労を強要される場所であれば転職を考えるのも一つの手でしょう。
仕事を減らしたら生きていけない。という思考は幻想です。
時間が出来ると活力が復活してきますので、何でも出来るような気持ちになってゆきます。仕事の過労によって、脳の慢性的な交感神経優位の状態は、適切な客観的判断力を圧倒的に鈍らせます。
ブログの中にも何回か登場しているのですが、私は「幸福優位性」という言葉が大好きです
幸福優位性とは「成功している人が幸せなのではなく幸せな人が成功する」という法則性です
幸福な状態だと、心に余裕が生まれ、周りから好かれやすくなり、結果として人間関係的にも金銭的にもいわゆる「成功」という状態になる。というものです。
先程の自己肯定感を高めるとは、ここに結びつくのかなと個人的に考えています。
自分自身の反射活動を理解することによって、「自分はこういったものに対してこういった反応を起こす傾向がある」と頭の片隅に置いておき「悪い反射活動(怒りや不安)を引き起こす行動や思考」をなるべく日常の中で減らしていくと、その悪い反射活動の原因が少なくなるので、嫌な気分になりづらくなっていきます。
日常的に嫌な気分が少なくなっていくと、自分自身をうまく扱えているような感覚になって行きます。
ある程度自分の心と体を扱えるようになってくると、自分の嫌な部分が少なくなってくるので自然と自己肯定感が高まっていくと考えています
自己啓発本などで書かれている自己肯定感を高める方法というのも、もちろん効果的かもしれないですが、個人的にはその方法では無理だと思っています
どんなものが紹介されてるかと言うと
会話中に何度も「すいません」と言わないようにしましょう。
先の事ばかり考えて不安にならないようにしましょう
他社からの評価ばかり気にしないようにしましょう。
決定権を他人任せにしないようにしましょう
他人への愚痴や悪口を言わないようにしましょう
今の自分に満足しましょう
過去や未来ではなく今を生きましょう
などです。
日々瞑想を行い自己鍛錬を行っている私からの個人的な感想としては上記を実践しても自己肯定感は高まりません
そもそも自己肯定感は高めるものではなく勝手に高まるものです。
気づいていたら自己肯定感が高かったという状態が健康的な向上方法です
例えば、他社からの評価を気にしないようにしましょう。について、
他社からの評価を気にしないようにするのは、社会で生きていたら無理です。人は相対的評価によって価値をつけられてしまうのが資本主義社会だからです。
人からの評価を気にしないようにしよう!としている時点で「評価」という思考が頭にあるので、資本主義の中に囚われます。
評価を気にする気にしない、というよりも、自分の心と体がどういった状況にあると快適なのかを徹底的に探りましょう。何か没頭できる事があると、自然と評価など気にならなくなります。
私の場合、論文を読んだり、医学書の内容をわかりやすくまとめている時、完全に没頭出来ます。
日常的にそれが出来ていると幸せなので、そもそも他人からみてどうとかいう思考は出ないです。
自己肯定感を高めたい!などという思考も出てきません。
しかし、その没頭できる事が出来ないとき、生活満足度は低下し、評価や自己肯定感云々という低次の思考が生まれてきます。
これも先程ご説明したように反射活動なので、私はそういった論文や医学書をまとめる時間を取れるレベルの仕事時間に調節しています。
売上が高くなるよりも、そちらの方が心を満たしてくれるからです。
私の思考は、一般的な感情とズレているかもしれません。ズレてようがズレていまいが、自分が幸せで満ち足りてると、どっちでも関係ない。という思考になります。
そのようにして、自己肯定感を高くしたいというような思いではなく、自分の心と体はどういったも物事にどういった反射活動を示すのか、そこの深掘りをどんどん日常の中でして行く事をおすすめ致します。
先程の『自律神経系の反応特異性』なのですが、人によって物事に対する情動系の反応は変わっていきます。
いわゆるストレス耐性というものですね。
例えば研究によってストレス耐性を上げられる事が分かっています。
瞑想を日常的に行っているグループはセロトニンの分泌が高いという研究結果から交感神経を活発にさせるドーパミンやアドレナリンの分泌調整力が良い事が想像出来ます。
よって交感神経が過度に活動になりづらい状態をすでに持っています。
この研究からもわかるとおり、ある程度の刺激に対する反射パターンというのは分かっているのですが(自律神経系の反応特異性)、瞑想によって反射活動や自律神経系の質が向上するという点から、「反射の質-感情の起伏」は人によって大きく異なる。というのが結論です。
私の思考パターンが良い方向へ変わってくれたのも「瞑想」のおかげです。
かれこれ瞑想を初めてそろそろ7年になります。
瞑想はじわりじわりと反射パターンを良い方向へ変えてくれます。
何千年も前から、ヨガや仏教でずーっと良いとされ、残り続けてきた「瞑想」はやはり良いものですね。
しかし、ハードルが高いのも事実かなと思います。最初は深い瞑想に入れず、不快感の方が高いと思いますので。
興味がある方は、少しづつ、一日5分で良いので、座った状態でただただ、呼吸で動くお腹や背中を感じ続けましょう。
必ず、少しづつですが大きな変化が現れます。
日常生活の中では、自分はどういった物事に対して、どういった不の反射活動パターン、もしくは正の反射活動パターンを引き起こすのかを少しずつ理解していくのが一番の近道です。
そのため、「こうやったらいいですよ」という方法は的を外していると捉えています。
以前のブログで紹介した通り、自律神経の活動の調整が鍵となりますのでその方法を習得して実践していくことによって自然と自己肯定感が高まっていきます。
自分自身が怒ってしまったり嫌な感情を出した時も、「負の反射活動を引き起こす刺激があったんだから仕方ないよね」と思えるようになっていきます
することによって自分自身に対しての怒りや落胆ではなく、「仕方なかったね」と思えるようになっていきます
最終的に自分嫌いというような思いが出なくなって行きます。
そういった状態になってくると、自分自身の感情に対する余裕が出てくるので人に対してもそれを応用することが可能となって行きます
ことかと言うと人が怒ったり負の感情を抱いている時にこの人疲れてるな、優しくしてあげた方がいいなと思う事が出来るようになってゆきます。
自分自身の交感神経が優位になっていて感情がコントロールできてないときなどは人に優しくすることはできません。
原始仏教では「自己を灯明とし、自己を護れ」と、くどいくらいに言われます。
この世界のどこを見渡しても、自分より大切な人は存在しない」と言われています。
皆誰しも本質的には「自分が最も愛おしい存在」なのです。
自分自身が自分に対して最も愛おしい存在ということは、相手も相手自身が最も愛おしい存在であるということが体感として深く理解できるようになって行きます。
すると自分がやられて嫌なことは人にはしないようになって行きます。
それが本当の優しさであり愛であり、自己肯定感(自尊心-自己愛)なのではないかなと思います。
ヒンドゥー教ヨガ哲学的な思想でも、自分自身が神でありそれと同時に相手も同様に神であり、この世界全体も同様に神であるという思想を持っているので、自分自身を大切にしなさいと教えるようです。それと同様に相手自身をそして世界を大切にしなさいと教えるようです。
私は個人的にこれらの思想が好きなので頭の片隅に置くようにしています。
そして日常的に自分の情動系(気分/感情)反射活動を観察するようにしています。
~ここまで読んでくださった方々に~
本質的なところが理解したところでテクニックを一つプレゼントしたいと思います。
最も簡易的な自己肯定感の向上方法は「クンバカ」かなと思っております。
クンバカとは息を止める呼吸法です。
なるべく限界ギリギリまで息を止めます。
息を吸って止める方法と息を吐いてから止める方法の2パターンあるのですが、イライラしていたり感情が高ぶっている時は息を吸ってから止めることをお勧めします
逆に気分が抑制されすぎて元気がないときは息を吐き切ってから息を止めることをお勧めします。
これはヨガの業法を継続的に修練することによって実感した、言わば「臨床的感覚」ですので論文結果はないのですが是非一度行ってみてください。
吸気で止める方法
3回ほど普通の呼吸をした後5秒から10秒かけて細く長く息を吐き切ります、その後ゆっくりと細く長く5秒から10秒かけてしっかりと心地よい程度に息を吸います。
息を止めます。
なるべく長く苦しくなるまで止めましょう。
イライラしてる時は限界くらい苦しくなるまで止めましょう。
息を止めてる最中は恐らく頭が沸騰するような、沸切ったような感覚が出るかもしれません。そしてだんだんとそれが落ち着いて行きます。なぜなら死にそうなのでそんなこと考えている余裕がなくなってくるからです。
そして限界が訪れたら息を吐き出します。
その時の気分を観察してみてください。
一回で心が落ち着かない場合は上限3セット目まで繰り返します。
3セットほど行うとおそらくかなり気分の方が落ち着いていくと思います。
煮え切らない思いが頭に浮かんだらぜひ試してみてください
吐息で止める方法
3回ほど普通の呼吸をした後、5秒から10秒かけて細く長く息を吸い切ります。その後ゆっくりと細く長く5秒から10秒かけてしっかりと心地よい程度に息を吐きます。
息を止めます。
なるべく長く苦しくなるまで止めましょう。
悲しさなどの強い想いがある時は限界くらい苦しくなるまで止めましょう。
息を止めてる最中は頭の中にとても悲しい感覚が出てくるかもしれませんがおそらくだんだんと静まって行きます。どちらかと言うと意識が遠のくような感覚が近いかもしれません。
押して苦しくなったら息を吸いましょう。
それでもなかなか気分が改善しない場合は最大3セットほど行なってみてください。
3セットほど行うとおそらく心にゆとりが出てくると思います。「受け入れよう」というような思いにスイッチできると最高ですね。
一時的に呼吸を止めることによって交感神経が優位になるのですがその保息(息を止める行為)を終えた後、(迷走神経刺激により)副交感神経が優位になります。
感覚としては頭がボーッとした感覚になります(徐脈/低血圧)
これは、ヨガでは「クンバカ」といいい、医療では、「バルサルバ法」と言う呼吸器疾患に対する手技療法です。
生活を送る中で、多かれ少なかれ、100%負の反射活動が起こります。その負の反射活動が起きたときは、外部環境をできる範囲で最適化する工夫をしてみる事、疲労がたまっているだけと受け入れ沢山寝る事、自分自身が一番大切な存在だと再認識していく事、等を日常の中で少しづつ行い、脳の反射パターンを変えていけるとより良くなっていくのではないかと思います♫
人は、今よりも良くなる未来が描けると、良い気分になれます。
妄想でも良いので、今よりも明るい未来を思い描き、その過程を楽しんでみてください。
人の幸福度は、どれだけ自分に対して「自己暗示」をかけられるかで決まってきます。
それをヨガや仏教では修練/修行と呼んでいます。
自己暗示、もしくは修練、修行を楽しんで人生をより良いものにしていきましょう✨
浦和姿勢改善Labヨガ&ロルフィング
Tatsu